いつになったら、帰ってくるのだろう・・・。

私はかれこれ2時間、アイツの家の玄関前に座っていた。

2月。冬の終わりが近づく頃。

今日は、今季最低気温らしい。


「こんのクソ寒いのに何やってんだあのバカ!」


こんな悪態、今日くらいは許してねお母さん。

と、ちょっぴり反省。

けれどもやっぱり、寒いものは寒いもので。


「っくしゅん」


一度出たくしゃみは、ここぞとばかりに何度も出始めた。


「っくしゅん・・・・・・っくしゅ・・・っぁくしゅん」


止まらない。


「あー・・・くしゃみって100回連続で出たら死ぬんだっけ?」


なんて、迷信も頭によぎる。

早く帰って来ないかなぁ・・・・・・。


「何・・・・・・やってんの?」


ふいに聞こえた声に顔を上げれば、

大きなビニール袋を両手に抱えて、ポカンとしたアイツがいた。


「何・・・・・・やってんの?じゃなーぁい!!」

「えぇ!?どうしたの一体!!」

「どうしたの・・・?アンタ、自分の誕生日も忘れたわけ?」

「た、誕生日・・・?」


頭上にハテナを浮かべ、

あれ?今日だっけ?

と呟く目の前の男。


高瀬準太。

今日、2月2日にめでたく17歳。

私、 の彼氏。


しかし、この男ときたら・・・・・・


「何、もしかして練習に夢中になって、本当に自分の誕生日忘れてたとか?」


そう言って睨めば、


「ご、ごめん・・・俺・・・・・・」


急にシュンとする準太。

なんか、私が悪いみたいじゃない。


「準太。とりあえず、寒いから。・・・開けて?」

「あ!わ、わりぃ!」


家の中に入れば、本当に忘れてたんだろう、

何も用意されていなかった。


「(・・・寂しい高2だな。)」


そう思うも、そんな野球バカの準太の誕生日を祝えることが嬉しくて。


、なんか飲む?・・・てか、わり、寒かっただろ。これ着てろ。」

「ありがと」


そんな野球バカの準太が、私に優しくしてくれることが嬉しくて。



誕生日忘れてたとか、

寒い中ずっと待ってたとか。

そんなことさえどうでもよくなるくらい、

準太のことが、好きなんだ。


「準太」

「ん?」

「おめでとう」





微笑みを、ひとつ。(照れる貴方に。)




「ささやかですが。」

「え、何?」









準太、ハピバ!
ってことで。
実はこのお話、9月に書きました。(笑)
キャラが・・・・・・orz



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