部活の帰りにケーキを買って彼の家へ

2人きりのクリスマス



「・・・・ねー赤也」

「んー?」













「暗くない?」

「・・・・・・」
















「見つかったー?」


突然の停電で、2人きりのクリスマスは懐中電灯探しから始まった。


「おー、あったあった。」


カチカチと、見つけた懐中電灯を点けたり消したりしながら向かってくる。


「すげー。押入れの奥深くに眠ってたのにちゃんと点くぜコイツ。」

「ホントに?よかったー。」


灯りがなければせっかく買ったケーキが食べられない。
お皿とフォークが出せないし。


「赤也ー。お皿ってこれでいいの?」

「何でもいいだろ。使えれば。」

「・・・それもそっか。」


やっとのことでケーキにありつける。
電気はまだ回復しそうにない。


「んじゃ!いっただきまーすっ!」

「あっ!ちょ、ちょっと待って!」


早速かぶりつこうとする赤也を引き止める。


「えー・・・何だよ。」


両頬をふくらませる赤也に少しときめきながら、提案。


「か、懐中電灯じゃ雰囲気出ないじゃん?」

「あ?・・・まぁな。」

「だからさ、ほら、キャンドル!点けよ!」

「何、準備いいじゃん。にしては。」


停電にならなくても電気消してやるつもりだったんだよね。

雰囲気とかって、大事だと思うし。


「・・・よしっ!点いたよ!」

「おー!なんかクリスマスっぽい!」

「でしょ?」


私、チョーいいことした!

そう言いながら、赤也を見る。

視線が重なった。


「(ヤバ・・・なんか赤也が超かっこいい・・・っ!)」


一気に動悸が激しくなる。

耐え切れずに顔を逸らす。

しかし、すぐに赤也によって戻される。


「何、誘ってんの、サン?顔、真っ赤だけど。」

「・・・なっ・・・にを、言って・・・!」


また視線が重なる。

キャンドルの炎が映って、少し赤くなった赤也の瞳が、

何かを待つようにして私を見ている。

あぁ、クリスマスとキャンドルの効果は絶大だ。

それとも、今日の私がおかしいのか?




先ほどからバクバク言う心臓を押さえることもできずに、


私は、求めた。



「・・・ちょ、ちょっとだけ・・・ホントに!ちょっとだけ、誘って・・・・みたり・・・なんかして・・――」


言った瞬間、赤也がニヤリと笑って、


「よく言えましたー。」


優しくキスをする。



何度も、何度も。





今日は、年に一度のクリスマス








Happy Merry Christmas!

     〜キャンドルに囲まれて〜












「えっ?ちょっ?ケーキは?!」


「・・・・がサキ。」










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クリスマスですね。一週間早めに

配布終了
                    '07.12.16 桐夜 凪
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