君と秘密の楽園





「――で、あるから・・・γ=5χとなり・・・・――」


只今、数学の時間真っ最中。

しかも私の大っっ嫌いな方程式。

あんな意味の分からん数字やら記号やら並べられたところで解けるわけが無い。

私の唯一の癒しは、隣で寝息を立てるリョーマを眺めること。

あぁ、今日もカッコいい・・・・・・v


「――だから答えはχ=3になる。・・・って、!聞いてるのか?!」


ずっと眺めてたいのに・・・!!

あ〜〜!!もう!何だよ・・・・?!

うるさいなぁ。誰だよ邪魔するのはぁ?!(先生だよ)


「ねぇ・・・」

「リョ、リョリョリョリョーマ?!ど、どうしたの・・・?」


誰か知らないけど私の癒しの時間(授業中です)を邪魔する奴にムカついて、ペン回しをしてたら、突然リョーマに話しかけられた。

あぁ、もうドキィッッって感じでどもってしまった・・・。


「『どうしたの?』じゃないでしょ。前、キレてるよ。先生。」

「え?前・・・?先生・・・?」


・・・


「ふあぁ!!す、すみません聞いてません!」

「何ぃ?!おい、お前あとで生徒指導室に来い。」

「(え!マジで!?)は・・・はい。」

「(バカじゃない・・・?普通は聞いてますって言うんだよ・・・。)」


うわぁ〜最悪・・・呼び出しじゃん。どうしよ・・・。

しかもリョーマの前で恥かいちゃったし・・・。


「あ、ありえない・・・。」


数学の山崎に呼び出されて、生徒指導室に向かってから30分・・・。

ひ、昼休みが終わってしまう!!

イコールお弁当が食べられない!!

あ〜ど〜しよ〜!!


生徒指導室を出て、扉の前で頭を抱える私は、傍からみたらおかしな子だろう。

そうやってるうちに予鈴が鳴ってしまった。


「うっわ〜・・・さらにありえない。」


もう、いいや。次、国語だし。サボっちゃえ。

と、いうわけで、 、13歳。人生初サボリを決行したいと思います。お弁当も食べたいしね・・・。

サボリといえば・・・屋上かな。


授業中なので、音を立てないようにそろそろと、階段を上がり、屋上の扉を開ける。


「誰もいない、よね・・?」


誰もいないことを確認し、近くにあったベンチに腰掛ける。


「はぁ・・・。サボっちゃったよ。山崎が悪いんだよ!説教が長いんだよ!」


弁当を広げながら、誰もいないのをいいことに愚痴りまくる私。


「ありえない。な〜にが、『お前はいつも、いつも話を聞いていないな・・・他の教科でもそうなのか?!』よ!!アンタには関係ないでしょう〜!!!!」


「へぇ・・・でも、あのオッサンの言ってることもあってるよね。」


「う・・・それは・・・そうなんだけど・・・だからって何で山崎に他の教科のことで説教されなきゃなんないわけ?!」

「さぁ。そんなこと俺に聞かれても。」

「あぁ〜もう!腹立つ!!・・・・・・・・え?」

「ん?」

「・・・・・え?」

「フッ・・・まだまだ、だね。」

「な、ななな何でリョーマが此処に?!ていうか何が『まだまだだね』?!」

「何でって、最初からいたし、俺。が後から来て気づかなかっただけでしょ。だからまだまだだね。」

「なっ・・・・////」


マジーーーーーー?!

はっ、恥ずかしい!なんかよく分かんないけど・・・とにかくとてつもなく恥ずかしい!!


「・・・ねぇ。」

「な、何?」

「俺、眠いんだよね・・・。」

「え?う、うん。」

が大声出してたから、昼寝してたのに起きちゃったんだよね。」

「え?ご、ごめん!」

「うん、だから・・・。」

「はぁ?!」


な、何だコレはぁーーー!?

リョ、リョ、リョーマの頭が私のひ、膝の上にぃ!!


Ryoma on my lap!!(何故に英語)


「な、何を・・・してるの?」

「ん?膝枕。・・・駄目?」

「えっ!い、いや・・・駄目、じゃないけど・・・///」

「じゃあいいじゃん。」


これって、どういうこと・・・?

普通は、女の子の膝に頭なんて乗っけない・・・よね?

わ、私・・・・期待しても・・・いいのかな・・・?

それとも、リョーマはもともとこういう性格・・・?


「・・・ねぇ。」

「な・・・に・・・」


ヤバイ、普通に話せない・・・!!


ってさぁ・・・」


な、なんか突然名前呼び!!?


「俺のこと・・・す・・――」

「好きだよ!」

「・・・やっぱり。」


うっわぁ!私なんか言っちゃったぁー!?

リョーマに言われるより自分で!!って思ったら・・・!!

お、お口が勝手に・・・!!

しかも『やっぱり』とか言われてるぅ!!

バレてるじゃん!

じゃあ、知ってて私にわざと膝枕させたのかーーー!!


「あー、良かった。」

「・・・え?」

「俺の勘違いだったらどうしよう・・・。とか思っちゃった。」

「・・・え、それってどういう・・・!?」


気づいたら、リョーマの顔が近くにあって・・・キス、された。触れるだけの、短いキス。


「なっ・・・////」

「こういうこと。///」


マ・・・ジで?


・・・好き。だから、付き合って。」

「/////は、い・・・。」


また、キスされた。今度は深い、深いキス。


これからは、この場所が・・・この屋上が、



君と秘密の楽園(パラダイス)


だね!










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携帯サイトの頃に、リクエストされて書いた夢です。

あー。至らない・・・。
                 07/01/21...07/04/26再掲載 桐夜 凪
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