――君の仕草、君の笑顔、君の涙・・・全部、全部俺が守るから・・・・・・



ずっと、ずっと・・・





あれから何年経っただろうか・・・。

あの日、君は突然、俺の前から姿を消した。


『な、んで・・・・・・?』


そう言って、何度も、何度も泣いた。

君がよく読んでた、少女漫画の主人公みたいに。

自分の部屋で、ベッドの上で、泣き崩れた。


『なんで、そんな急に・・・?』

『・・・ごめんね。』


いくら聞いても、君はそれしか言わなかった。


『俺の、どこが不満だった・・・?』

『俺の、何が嫌だった・・・?』


いくら想っても、君が俺のところへ帰ってくることはなかった。

なぁ、・・・俺、今でも彼女、できないんだぜ・・・?

どうしてか、なんて、が一番分かってるはずだろ・・・?

帰って・・・きてよ・・・。

また、あの時みたいに、俺の隣で笑ってよ。


『っもぉーー、ブン太ぁーー!あたしのポッキー食っただろー?!』

『はぁ?知らねぇよ!』

『嘘吐けこのヤロー!口の周りにチョコが付いてんじゃん!!』

『ゲッ!や、こ、これはだな?!その・・・』

『問答無用!!』


バシッ


『って!痛ぇだろぃ・・・』

『えっ!?マジ?ごっごめん・・・。』

『・・・これでチャラな。』

『はっ?・・・っん――』

『――っ・・・へへっごちそーさんv』

『////ちょっ、ブン太っ!!』


初めてのキス・・・。

すっげぇ緊張した。でも、の照れた顔見て嬉しくなった。

こんな日常が、ずっと、ずっと続くんだと・・・――


なのに・・・。


『何?こんな時間に。どうしたんだよぃ。』

『う・・・ん・・・あのね・・・』

『?何だよ・・・そんなにカタクなって・・・』


そのとき、少し俯くの顔を見て、嫌な予感がしたんだ。


『・・・ブ、ブン太・・・。』

『・・・何・・?』

『・・・・・あたし達、別れよう・・・』

『・・は?な、に・・・言ってんの・・・?』

『それだけ。じ、じゃあね。今まで、ありがとう。』


――目の前が、真っ暗になった。


それだけ言って、最後に微笑んで・・・は俺の元から離れていった。

クリスマスまで、あと3日だった。


との予定でいっぱいだったはずのクリスマスは、1人で過ごした。正確には、家族もいたけど。

親父も、母さんも、何も聞かないで、ただずっと、元気付けようとしてくれた。


新年を迎える時も、は隣にいない・・・。

去年は、一緒に初詣にお参りしにいったのにな・・・。


新学期、を見た。知らない男と歩いてた。

ショックだった。悔しかった。

一瞬、目が合ったけど、すぐ逸らされた。

あぁ、の隣は、俺のものじゃなくなったんだ・・・。

改めて、現実に思い知らされる。

俺、のこと・・・こんなにスキなんだ・・・。

どうして、あの時、を追いかけなかったんだよ。

追いかけていたら、何かが変わっていたかもしれないのに。

の隣は、今でもまだ、自分のものだったかもしれないのに。


――こんな想いにも、ならなかったかもしれないのに。



それからの俺は、変わった。

女になんか見向きもしないで、部活にだけ専念した。

でも、の姿を見るたびに、胸が締め付けられる思いがした。


『忘れろ・・・!忘れるんだよぃ・・・!!!』


ただ、がむしゃらに。

テニスして、後輩とジャレあって、甘いもん食って。

気が付けば、レギュラーで。


「王者立海大」


その名を背負って、仲間と共にたくさんの試合で勝ち抜いてきた。

そのうち、のことも、思い出になっていった・・はずだった。

それでも、「」という名前を聞くだけで、胸が高鳴った。



――・・・


君は何を見て、何をして、「今」を過ごしてますか・・・?

俺は、やっぱりまだ、君のことが忘れられません。スキ、だから。

――これからも、


ずっと、ずっと・・・君だけを。










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死ネタ・・・ではありません。
ヒロインは、ブン太の元から離れ、他の男のところへ。


・・・仁王だったりしてね。(爆)
07/01/23...07・04/26修正 桐夜 凪
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