プロローグ 全てのはじまり







いつもと同じ 道

いつもと同じ ほえる犬

いつもと同じ 友達と

いつもと同じ 別れ



目に映るもの全てが、いつもと同じで。

そんな日常にはもう、飽きた。








「ただいま・・・」


返事なんて、返ってこない。

「おかえり」なんてのも、何年も聞いてない。

それでも、「いってきます」と「ただいま」だけは言ってしまう。

もういない両親が、「それだけはしなさい」と、言っていたから。


あとに残るのが、虚しい静寂だと分かっていても。



「・・・」


一人でとる夕食にも、もう慣れてしまった。

食後、何時間かべつにおもしろくもないテレビを見て、勉強して、寝る。


そしてまた、いつもと変わらない、同じ一日が始まる。










・・・ハズだったのに。


「・・・何、此処。」


朝目覚めるとそこは、明らかに自分の部屋ではなかった。