#3 世の中にはこんなに真っ黒な方があらせられるんですね。
ブン太に送ってもらい、職員室まで辿り着いた。
と、おもったらすぐに、また別の部屋に連れて行かれた。
「・・・えっと・・・?」
「よし、くん。君には今から学力テストを受けてもらうね。」
「あぁ。はい。」
「そうね・・・じゃあ、問1!」
え、問1?!え、おかしくない?おかしくないこれ?
普通、学力テストってペーパーだよねぇ?!ペーパーテストだよねぇ?!
え、何?先生自ら問題だすの?しかも何も見ずに?!
思いっきり今考え込んで「じゃあ」って言ったよねぇ?!
と、性に合わずに一人パニクッた思考錯誤をしていると。(日本語おかしい)
先生(ちなみにすごいだらけた美人さん)(?)が問題を言い出した。
「えーっと・・・、この学校で一番キレイな先生は誰でしょう。」
知るかーーーーー!!!
とりあえず、この先生でいいや。美人だし。
「え、えっと・・・窪田先生じゃ・・・ないんです、か?」
「あっらー!よく分かってるじゃない?よし!もう、合格!明後日の新学期から立海に通ってOKよvV」
テキトーだなぁ・・・。
でも、無事通えることになりました。
・・・よかった、のか?
窪田先生が上機嫌なのをいいことに、
適当にあしらって教室を出た俺は、暇なので少し校内を散策することにした。
やたらと広い立海を、散策というのもおかしいかもしれないが。
キレイな校舎を歩いていると、窓の外にテニスコートが見えた。
「あー・・・そういえばブン太が来いよみたいなこと言ってたなぁ・・・。」
そう呟いたら、勝手に足が動いた。
前にも言ったとおり、『テニプリ』とやらは親友のに無理やり渡されて読んだため、
内容なんてほとんど覚えていない。
覚えているのは、主人公になっていた青学の『越前リョーマ』。
こいつはハッキリと思い出せる。
あとのキャラとかはもう、うろ覚えだ。
現に、ブン太も言われるまで思い出せなかった。(あんなに目立つ赤髪なのに。)
だから、テニスコートに着いて、しばらく眺めて、帰ろうと思って振り返った
その後ろにいた人物を、思い出すなんてできなかった。
「お前さん・・・見たことない顔じゃが、何してるんじゃ?」
「は?あ、あぁ。明後日からここに通うことになってて・・・ちょっと見学?に。」
「ほう・・・。ちょっと待っとりんさい。」
「はぁ・・・?」
何故・・・と、聞くときにはもう、銀髪の尻尾方言男(?)はいなかった。
仕方がないので、しばらくその場で待っていると、
その銀髪の尻・・・長いので略してチョロ毛(略せてない)は、ゾロゾロと何人かを引き連れて戻ってきた。
「あ、ブン太。」
「よう!テストは終わったのかよぃ?」
「うん、一応。」
「そ?で?入れるんだろぃ?立海に。仁王から聞いた。」
仁王・・・?誰。
「ちょっと丸井、その子と知り合いなの?」
なんかとっても美人な子が言った。あ、でも・・・なんか違和感が・・・。
「え?お、おう!朝来る時に会ったんだ!な?」
「うん。あ、俺、 。よろしく。」
「よろしく。俺は幸村精市。こいつ等は立海のテニス部のレギュラー。俺は部長ね。」
「副部長の真田弦一郎だ。」
「俺は仁王雅治ぜよ。よろしくナリ。」
チョロ毛が仁王か!ってか方言・・・?語尾が『ナリ』って地方あったっけ・・・?
後に方言とは少し違うと気づいた俺。あれは仁王語だ。と思う。
それからも、どんどん自己紹介が進んだ。
1人だけ、2年が居るんだ・・・すげぇ。
「ところで、はテニス部に入る気はない?」
いきなり名前呼び?ってか俺って今、勧誘されてる?
「え、特には・・・」
そこで俺は見てしまった。
キレイに微笑む幸村くんの後ろで、ブン太の青い顔で勢いよく首を横にブンブンと振る姿を。(決してシャレではない)
そして、見てしまった。
ブン太から視線をずらして見たときの幸村くん・・・いや、幸村
様の御顔を・・・!!
「何、入らない気なの?そんなわけないよね?もちろん入るよね?
ってか入れよ・・・」
最後のは確実に脅しだよ・・・。
怖いのでもちろん承諾しました。
最初に幸村様に対して感じた妙な違和感はこれだったんですね・・・。
ブン太の青い顔の意味に納得し、自分の勘のよさに敬礼したくなった瞬間だった。
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