#6 真田、ゲーセンに目覚める。







前回に引き続き、ゲーセンに入り浸る立海テニス部レギュラー。

時間が経つにつれ、真田の言動に変化が見られ始めた。


「見ろ幸村!こんなに釣れたぞ!」

「へぇ・・・?」


嬉しそうに走る真田を見た全員が、硬直した。

真田の手には、真田の顔が隠れるほどの大きな紙袋。

そしてその中には最近(といっても先程から)の真田のお気に入りらしい

幼児向けのキャラクターのぬいぐるみが大量に入っている。


「・・・何故サン○オグッズばかり持っているんだ弦一郎・・・」

「真田がものすごく気持ち悪いぜよ。」

「あ、呆れますね・・・」


嬉しそうにサ○リオグッズを抱えてはしゃぐ王者立海大の副部長の姿に、

それぞれが呆れ(気持ち悪そうな)表情をみせるなか、

我慢できなくなったのか、とうとう幸村が噴き出した。


「プッ・・・ハ・・アハハハハハハハハ!!!

 さっ真田・・・キミは本当に・・・っフ、アハハハハ!」

「なっ!何故笑うのだ幸村ぁ!」


何がおかしい!

と、顔を真っ赤にさせて怒鳴る真田を見て、さらに笑う幸村。

しばらくしても笑い続ける幸村と、訳がわからず暴れる真田を見て、

哀れむ他のレギュラー。


「・・・帰りましょうか。」

「プリッ」


柳生が痺れを切らすまで、そう時間はかからなかった。







真田が笑いものになっているなど露知らず、

俺達は俺達で格ゲーで盛り上がっていた。


「――〜〜〜っ!クソッ!もう一回だ赤也ぁ!」

「何回やっても一緒ッスよ丸井先輩!」


さっきから負けてはもう一回、負けてはもう一回を繰り返すブン太。

いい加減あきらめたらどうなんだ。


「いつまで続くんだろうね・・・ジャッカル。」

「俺に聞くな。」

「・・・そうだね。ごめん。」

「え、いや別に謝ることじゃ・・・」


何回目だこの会話も。







「あーーーーー!クソッ!負けたぁーー!」

「だから言ったじゃないッスかぁ!俺は強いんスよ!」


全戦全勝で、赤也の完全勝利。




結局、俺達が帰ったのは真田達が帰った1時間半後だった。